ホームページのコツ

地方の工務店、ホームページは本当に必要?

2025年7月10日 
地域に根ざした工務店の温かみのある外観と、その前で談笑する職人たち。ホームページの必要性を考えるきっかけを表現。

正直なところ、ホームページがなくても仕事は回っている、という工務店さん、実は結構多いんじゃないでしょうか。長年、地域に根ざしてやってきて、お客さんはほとんどが口コミや紹介。「今さらインターネットなんて、よく分からないし面倒だ…」と感じる気持ち、すごくよく分かります。

紹介だけで数年先まで仕事が埋まっているのなら、無理に新しいことを始める必要はないかもしれません。でも、ふとした瞬間に「あれ?」って思うこと、最近増えてきたりしませんか?例えば、新しいお客さんから「ウェブサイト、探したんですけど見つからなくて」と言われたり、若い職人さんの応募がぱったり来なくなったり。

この記事では、「ホームページは絶対に必要です!」と押し付けるつもりは全くありません。そうではなくて、「なくても大丈夫」なケースと、「あったら便利かも」に変わる瞬間を一緒に見ながら、これからの工務店のあり方を考えるきっかけになればと思っています。

「うちは大丈夫」な工務店の共通点

地域の地図を広げ、顧客と笑顔で打ち合わせをする工務店の代表。地域密着型のビジネスモデルを象徴する画像。

まず、ホームページがなくても経営がしっかりと成り立っている工務店さんには、いくつかの共通点があるように思います。ご自身の状況と照らし合わせてみてください。

紹介だけで仕事が途切れない

これは、長年の信頼と実績の証ですよね。一件一件の仕事を丁寧に行い、施主さんとの関係を大切にしてきたからこそ、次の仕事へと自然につながっていく。地域での評判が何よりの広告塔になっているパターンです。この強力な信頼ネットワークは、一朝一夕には築けない素晴らしい財産です。

特定の得意先との強い結びつき

一般の個人住宅ではなく、特定の建設会社や不動産会社からの下請け業務がメインの場合も、ホームページの必要性は低いかもしれません。取引先が固定されていて、そこからの発注で経営が安定しているBtoB(企業間取引)が中心の工務店さんがこれにあたります。

営業エリアが極めて限定的

「うちの仕事は、車で30分圏内だけ」というように、営業範囲が非常に狭く、地域での知名度が隅々まで行き渡っている場合も、Webでの集客はあまり必要ないかもしれません。地域のイベントに参加したり、公民館にパンフレットを置いたりと、対面でのコミュニケーションがすべてをカバーできている状態ですね。

【現状維持】のリスク、一度チェックしませんか?

  • □ 紹介してくれるお客さんの平均年齢が、年々上がってきていると感じることはありませんか?
  • □ 最近、近所に新しいデザインの住宅を建てる、見慣れない工務店を見かけませんか?
  • □ 「息子(娘)夫婦の家もお願いしたいんだけど…」と言われた時、その若い世代に直接アピールできる材料はありますか?
  • □ 求人を出しても、若い世代からの応募が減っていませんか?

もし、一つでも「ドキッ」とした項目があれば、少しだけ未来のことを考えてみる良いタイミングかもしれません。

 

それでも、ホームページが「あったら便利」に変わる瞬間

若い夫婦がソファに座り、スマートフォンで理想の家について検索している様子。現代の顧客の情報収集方法を表す。

「うちは大丈夫」と思っていても、時代の変化とともに、じわじわと不便さを感じる場面が出てくるものです。それは、会社のピンチというよりは、むしろチャンスを逃している「機会損失」という形かもしれません。

「施工事例、どこかで見られますか?」と聞かれた時

紹介で来たお客さんでも、「これまでどんな家を建ててきたのか」を具体的に見たいと思うのは自然なことです。そのたびに分厚いアルバムを持ち歩くのも大変ですし、見せられる写真も限られますよね。ホームページがあれば、いつでもどこでも、スマホ一つでたくさんの施工事例を見てもらえます。こだわりのポイントや設計の工夫を文章で添えれば、技術力や家づくりへの想いも、より深く伝わります。

若い世代の職人さんを募集したい時

「人手不足」は多くの業界で課題になっていますが、建設業界も例外ではありません。今の若い世代は、働く場所を探すときに、まず間違いなくインターネットでその会社のことを調べます。その時にホームページがなければ、「この会社、本当に大丈夫かな?」と不安に思われてしまう可能性も。会社の雰囲気や先輩職人の声、福利厚生などを紹介するページがあれば、それは未来の仲間への最高のメッセージになります。

新しい補助金や工法について伝えたい時

省エネ住宅の補助金や、新しい耐震技術など、お客さんにとって有益な情報はたくさんあります。こうした情報を、OBのお客さんや潜在的なお客さんに広く伝えたい時、ホームページの「お知らせ」や「ブログ」機能がすごく役立ちます。「〇〇工務店は、ちゃんと新しい情報も勉強しているんだな」という信頼にもつながりますよね。

ホームページは「24時間働く、無口な営業マン」

よく言われることですが、ホームページはまさに、文句も言わずに24時間365日働いてくれる営業マンのような存在です。あなたが寝ている間も、現場で作業している間も、会社のパンフレットとして、施工事例集として、そして求人案内の担当者として、情報を届け続けてくれます。

 

ホームページを持つ=面倒? 現代のホームページ事情

パソコンとスマートフォンの両方で、直感的にホームページを編集している人の手元。専門知識がなくても更新できる手軽さを示す。

「必要性は少し分かってきたけど、やっぱり費用や手間が…」と思いますよね。昔はホームページを作るといえば、何十万、何百万とかかるのが当たり前でした。でも、今は状況が大きく変わってきています。

費用の考え方:「投資」と「コスト」

ホームページにかかる費用を、単なる出費(コスト)と考えるか、未来への「投資」と考えるかで、見方が大きく変わります。もしホームページがきっかけで一件でも受注が増えたり、優秀な人材が一人でも採用できたりすれば、費用はすぐに回収できるかもしれません。最近は月々数千円程度から始められるサービスも多く、以前よりずっとハードルは下がっています。

手間と更新:「全部自分でやる」必要はない

「パソコンは苦手で…」という方も多いでしょう。でも、最近のホームページ作成ツールは、ブログやSNSを更新するくらいの感覚で、スマホからでも簡単に情報を発信できるものが増えています。施工事例の追加だけ自分で行い、あとはプロに任せる、といった分業も可能です。「全部自分でやらなきゃ」と気負う必要はないんです。

専門知識は本当に不要?

簡単なホームページなら、専門知識がなくても作れる時代になったのは事実です。テンプレートを選んで、写真と文章を入れ替えるだけで、それなりのものが完成します。ただ、デザインにこだわりたい、もっと集客できるような工夫をしたい、といった目的があるなら、専門の制作会社に頼む方が結果的に近道になることもあります。これも目的次第ですね。

ホームページを持つかどうかの判断基準リスト

  • ・目的は何か?: 会社の信頼性を上げたい? 新しいお客さんを見つけたい? 人材を採用したい?
  • ・誰に見てほしいか?: これから家を建てる30代夫婦? リフォームを考えるOB客? 腕のいい職人さん?
  • ・どのくらいの予算と時間をかけられるか?: まずは小さく始めたい? 最初からしっかり投資したい? 更新は誰がやる?

これらの質問に答えていくと、自社にとってホームページが必要か、必要だとしたらどんなものが良いか、輪郭が見えてくるはずです。

 

ホームページ以外の選択肢と、その賢い使い分け

InstagramやFacebookなどのSNSアイコンが並んだイラスト。ホームページ以外のWeb活用方法の選択肢を示す。

ここまでホームページの話をしてきましたが、Webで情報を発信するツールは他にもあります。ホームページにこだわらず、自社に合ったものを選ぶのが一番です。

InstagramやFacebookの活用

写真や動画でアピールするのが得意な工務店さんには、Instagramがぴったりです。完成した家の美しい写真や、職人さんの仕事風景などを投稿すれば、会社の雰囲気やデザインのセンスが伝わります。Facebookは、地域の方々との交流やイベント告知に向いています。

ポータルサイトへの掲載

地域の工務店情報などをまとめたポータルサイトに登録するのも一つの手です。家づくりを考えている人が集まる場所なので、見つけてもらいやすいのがメリット。ただ、多くの会社が並ぶ中で、どうやって自社の魅力を見せるか、という工夫は必要になります。

ホームページとSNSの連携が効果的?

実は、一番効果的なのはこれらのツールを組み合わせて使うことです。例えば、Instagramで素敵な施工写真を見て興味を持った人が、プロフィールからホームページにアクセス。そこで会社の理念や詳しい実績を見て、信頼感を深めて問い合わせる、という流れを作ることができます。

ツールメリットデメリット
ホームページ信頼性が高い、情報の整理がしやすい、資産になる初期費用や維持費がかかる、集客には工夫が必要
SNS (Instagramなど)無料で始められる、気軽に発信できる、拡散力がある情報が流れやすい、信頼性の証明にはなりにくい
ポータルサイト集客力がある、見つけてもらいやすい掲載料や手数料がかかる、他社との差別化が難しい

 

あなたの状況別・実践的なアプローチ

設計図、電卓、ペン、ノートが置かれた工務店の作業机。これからの計画を立てるイメージを表現。

ここまで読んでみて、「じゃあ、うちはどうすればいいんだろう?」と思われたかもしれません。最後に、あなたの状況に合わせた最初の一歩を提案します。

まずは情報収集から始めたい方へ

いきなり何かを始める必要はありません。まずは、あなたの地域のライバルになりそうな工務店が、どんなホームページを持っているか、いくつか覗いてみてください。また、InstagramやFacebookで「#(あなたの地域名)工務店」や「#(あなたの地域名)新築」などで検索してみるのもおすすめです。どんな情報が求められているのか、雰囲気がつかめるだけでも大きな一歩です。

小さく始めてみたい方へ

いきなり本格的なホームページはハードルが高い、と感じるなら、まずは無料で始められるInstagramアカウントを作って、施工事例の写真を少しずつ投稿してみてはいかがでしょうか。あるいは、会社の基本情報と連絡先、代表の挨拶だけを載せた1ページだけのシンプルなホームページを、低コストのサービスで作ってみるのも良い選択です。やってみることで、見えてくるものがあります。

本格的にWeb活用を考えている方へ

「よし、本気で取り組んでみよう」と決めたなら、まずは「何のためにホームページを作るのか」という目的をはっきりさせることが一番大事です。新しいお客さんを獲得したいのか、会社のブランドイメージを向上させたいのか、採用を強化したいのか。目的が決まれば、必要な機能やデザインの方向性も見えてきて、サービスや制作会社を選ぶ際のブレない軸になります。

 

まとめ

「地方の工務店にホームページは本当に必要か?」という問いに、簡単な答えはありません。しかし、これからの時代、お客さんや未来の従業員が、あなたの会社を「知る」ための最初の入り口がインターネットになる可能性は、間違いなく高まっていきます。

  • ホームページは「持つか、持たないか」だけでなく、「自社にとってどんな役割を持たせるか」を考えることが大切です。
  • それは「信頼の証明書」かもしれませんし、「働き者の営業マン」や「優秀な人事担当」かもしれません。
  • SNSなど他のツールと組み合わせることで、それぞれの良さを活かした情報発信ができます。
  • 大切なのは、会社の規模や状況に合わせて、無理のない範囲で一歩を踏み出してみることです。


ホームページは、ただの「箱」ではありません。皆さんが長年かけて築き上げてきた技術、信頼、そして家づくりへの想いを詰め込み、未来へ届けるための「道具」です。この記事が、あなたの会社の未来を考える、小さなきっかけになれば嬉しいです。

もし少しでもホームページにご興味がおありなら

ここまで地方工務店のホームページの必要性について詳しく解説してきました。記事を読んで「まずは自分たちで、できる範囲で始めてみたい」と思われた方に、少しだけ私達のサービスをご紹介させてください。

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もちろん、この記事で紹介した他のツールやサービスも、それぞれに優れた特徴があります。ぜひあなたの工務店の目的や予算に最も適した選択肢を見つけてくださいね。

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PAGEKit編集部
ホームページを最短15秒で作れる!PAGEKitは、誰でもかんたんにホームページを作成・管理できるサービスです。
私たちPAGEKit編集部は、ホームページをもっと便利に、もっと楽しく使っていただけるよう、日々TIPSや活用アイデアを発信しています。
 

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