広島市特定社労士、労働紛争解決センター byふちがみ労務管理センター

内容証明郵便は、後日、争いになった時の確実な証拠となります。
           何度も残業代や解雇予告手当を口頭で請求しても、払わない時は、
           内容証明郵便を出して、権利を主張しましょう。そして払わせましょう!

      
       
内容証明郵便の効果的な使い方


        1.内容証明郵便とは
          
           内容証明は郵便の一つです。つまり、私達が日常使用している手紙と同じ種類のものです。
           しかし、手紙と大きく異なる点があります。それは、
内容証明は、いつ、だれに、どんな内容の
         
文書を出し、相手方にいつ届いたかを、公の機関である郵便局が証明してくれるということです。
           つまり、確実な証拠として残るということですね。ただ、気をつけなければならないのは、相手
          方の証拠としても残るという点です。文章の内容を間違えて、相手方に有利な内容を記載したり
          したら大変です。

           また、内容証明を出すということは、相手方に戦うという意思表示を示すことです。相手方が、
          借りたお金を返済期限は過ぎてしまったけど、そろそろ返そうと思っている時に内容証明を出し
          たらどうでしょうか。カチンときて、返す気がなくなるかもしれません。
           内容証明は、非常に便利なものですが、使い方によっては、毒にも薬にもなります。

       
        2.内容証明郵便の作成から配達まで

          
           内容証明は、同じものを3通作成します。こちらの控え1通、郵便局保存用1通、そして、相手
          に送達する1通です。相手が二人の時は2通必要になります。つまり、合計4通必要です。
           用紙のサイズの指定はありません。A4でもB4でもかまいません。ワープロやパソコンを使っ
          て作成しても、手書きでも大丈夫です。また、縦書きでも横書きでもOKです。

           ただし、字数の制限があり、縦書きの場合、20字×26行、横書きの場合、26字×20行か、
          13字×40行と決まっています。このルールを守らないと、郵便局で受付してくれませんので、
          注意しましょう。
           
文章の内容は、簡潔に要点をしっかりと書きましょう。特に大事な箇所(請求する金額等)は、
         
間違いないか、よく見直しましょう。間違いに後で気づき、訂正通知を出すことも可能ですが、
          効果が半減してしまいます。出来上がったら、声を出して読んでみるのもいいかもしれません。

           記載内容に誤りがないことが確認できたら、封筒を書きます。表に相手方の住所、氏名を、
          裏に自分の住所、氏名を書きます。この記載が、内容証明の文中の記載と異なると、やはり
          郵便局で受付してくれませんので、相手方の住所と氏名は、正確に記載しましょう。

            封筒も書けたら、いよいよ郵便局へ行き、内容証明を受付してもらいます。持参するのは、
          内容証明3通、封筒、それに印鑑を持参します。印鑑は、訂正があった時に必要です。
           なお、郵便局は、どこでも受付してくれるのではなく、
取扱できる郵便局が決まっています
          で、前もって調べておきましょう。

           郵便局へ行ったら、内容証明3通と封筒を出し、必ず、「配達証明付でお願いします。」と
   
      言いましょう。配達証明付にすると、郵便物が相手に届いた後、「何年何月何日に、相手方に
          郵便物が届きました。」という
郵便物配達証明書というはがきを送ってくれます。これがあれば、
          相手方が「受け取っていない。」と言っても、通用しません。

           窓口の職員は、内容証明の字数、行数は規定どおりか、差出人と受取人の住所、氏名は、
          内容証明の文中の記載と封筒の記載が一致しているか等をチェックします。OKならば、提出
          した内容証明1通と封筒が戻され、封筒に内容証明を入れて封をするように言われますので、
          そのとおりにして、再び職員に戻します。そして、料金の支払いをします。職員は、内容証明1
          通と
書留郵便物受領証をこちらに返します。この受領証は、内容証明を出した証拠になるもの
          ですから、内容証明と一緒に大切に保管しましょう。
           なお、内容証明郵便の手数料は、次のとおりです。
         
            内容証明料金・・・・1枚420円。1枚増すこ゛とに250円。
            書留郵便料金・・・・420円(ただし、損害賠償額が10万円まで)
            配達証明料金・・・・300円
            速達郵便料金・・・・270円(定形250gまで)
       

        
         3.内容証明郵便の長所と短所
          
           前述したとおり、内容証明郵便の長所は、証拠力があるということですが、他には、どんな
          長所があるでしょう。また、反対にどんな短所があるのでしょうか。ここでまとめてみました。
       
            長所 ①相手に心理的なプレッシャーを与えることができる。
                ②一時的に時効の中断をすることができる。
                 ③相手の反応を探ることができる。
      
            短所 ①手間がかかる。
               ②費用がかかる。
               ③出した文章の内容によっては、自分が不利になってしまうこともある。
      
            まず、長所の①ですが、内容証明を受け取った相手方は、かなりびっくりし、動揺します。
          これは、通常、内容証明の文中に「お支払いなき場合は、法的手段をとらせて戴きます。」と
          いうような記載があるからでしょう。少なくとも、このままにしておくと、裁判になるかもしれない、
          仮差押等法的手段をとられるかもしれない等と思わせることができたら、内容証明を出した
          効果があったということでしょう。
           次に②です。例えば、未払の残業代の時効は2年です。1年11ヵ月前の残業代を請求しよ
          うと決心したとします。しかし、あれこれと考えているうちに、1ヶ月があっという間に経過して、
          時効となってしまったら大変です。こんな時、内容証明を出せば、時効はとりあえず中断しま
          す。ただし、内容証明を出して請求してから、6箇月以内に訴訟等をしないと、時効が中断し
          なかったことになりますので、注意が必要です。
           最後に③です。内容証明を出したことにより、相手がこちらの要求を履行すれば、こちらの
          完全勝利ですね。また、少し金額を負けてくれとか、一括払いは無理だから分割にしてくれと
          言われたら、こっちのもんですね。相手方の支払能力、こちらの経済的事情、相手の和解条
          件を蹴り、裁判になった時にどれだけ勝算があるか、つまり、こちらが間違いなく勝てる確実
          な証拠や法的根拠があるかといった点を考慮して、判断すれば良いでしょう。

           今度は、短所です。初めて内容証明を書く方は、結構大変でしょう。だが、あまり難しく考え
          る必要はありません。上手な文章でなくても大丈夫です。
相手への要求をわかりやすく、正確
      
    に書けば良いのです。間違った記載は厳禁です。相手が有利になってしまう場合もあります。
            なお、料金は、2で記載のとおりです。通常の長さの内容証明なら、2000円もあれば、お
          つりがきます。
    
       

       4.内容証明郵便の効果的な使い方

          
           内容証明郵便を出そうと考えた時に、まず考えて戴きたいのは、相手との関係です。内容
          証明は、相手への宣戦布告とも言えますから、今後、相手との関係が気まずくなることは避
          けられないでしょう。
自分が相手に請求しないことによって失う不利益と、相手との関係が良
          
好でなくなる不利益を、よく秤にかけて検討する必要があります。
            内容証明を出すと決めたら、出すタイミングが大切です。通常は、口頭で何回か相手に対
          して請求し、それでも何の反応もない、全く誠意が見られないので、内容証明を出すのが無難
          です。しかし、相手の会社が倒産しそうだとか、相手が行方を晦ましそうだとかの気配がある
          ときは別です。いきなり内容証明郵便を出すとともに、仮差押等を検討すべきですね。
           また、内容証明を出して相手方から何らかの反応が合った場合、相手方に支払能力がある
          か否かがキーポイントです。支払能力が十分ある相手から分割払いや金額の減額を持ちかけ
           られても、安易に応じないほうが良いでしょう。ただし、裁判まで持ち込むと時間や余分な費用
           がかかります。出来るだけこちらの有利な条件を引き出して、和解に応じたほうが良い場合も
          あるでしょう。

           最後に、解雇予告手当不払い、残業代不払い等を想定して、金銭の請求をするとした場合、
         内容証明郵便を出したほうが効果的であると思われる場面をまとめてみました。
       
           ①口頭で何回か請求したが、支払う気配がない。
             (相手方はそのうちあきらめるだろうと思っていることが多いです。こんな時、内容証明を
              出せば、効果的ですね。)
       
           ②相手方に支払能力がある。
             (支払能力がないと、たとえ裁判にまで持ち込んで勝訴してもどうしようもありません。)
      
           ③裁判になっても勝てる確実な証拠が、こちらにある。
             (確実な証拠があれば、途中で相手方が譲歩してくる可能性が高いです。どうせ裁判に
              なっても負けるからです。)
       
           ④代表者自身が労働基準法等に無関心で、解雇予告手当や残業代等、支払う必要がない
             思っている。
             (内容証明を出すことによって事の重大さを知り、すんなり支払うケースも多いです)。
       
           ⑤もうすぐ時効になってしまう。
             (相手方に支払能力がありそうなら、至急出すべきですね。)

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